家の顔となる、オーバルテーブルを探して
以前から、自然と人が集まる家だった小林家。同僚たちを招いてお茶会をしたり、クリスマスパーティーをしたりと、友人をたくさん招いてきました。

友人が来るときは、手作りの料理やスイーツでもてなす。グリーンカレーや肉まんが特に人気で教えてほしいという人もいるほど。
そんな浩子さんにとって、大きなテーブルは家づくりの中心でした。
「オーバルテーブルは家の顔だと思って。大きなテーブルを置こうと、当初から決めていたんです」
そのヒントになったのが、南魚沼市にある「石打 邪宗門」のテーブル。大きなテーブルが緩やかにラウンドしていて、たくさんの人が集まれる。ああいう形がいいなと、設計士にも伝えていました。
家の設計が決まると、そこから理想のテーブルを探す旅が始まりました。インターネットで気になる家具店をピックアップし、当時まだ東京勤務だった一幸さんを中心に、東京中の家具店を探し回ります。

角がないから、どこに座っても誰とでも話しやすい。最大9人で使用したことも。
そして、ついに理想に近いオーバルテーブルを見つけました。そこは家と家具を両方手がけるブランドで、無垢材の家具が並んでいました。しかし、いざ購入となると、ふたりは躊躇します。
「品物はすごく良かったんです。でも、その分それなりにお値段もしたんですよね。あと、高さも720mmと少し高いことも気になって。ふたりとも小柄だから、680mmくらいがちょうどいいなって思っていたんです」
既製品でありながら、微調整が必要。そして、価格も決して安くはありませんでした。
「それで、ふと思ったんです。既製品と同じくらいの価格でオーダーできるなら、作ってもらったほうがいいよねって」
そのときに思い出したのが、2年前に訪れたnineのショップでした。
オーダー家具という、新しい選択
小林さん夫妻がnineを初めて訪れたのは、2016年頃。地域の情報誌で見かけて、家づくりの参考になればと足を運んだのがきっかけでした。
「こんなに素敵なおうちがあるんだって、お店が開いているときにふたりで見に行ったんです。ただ、そのときは家具を見に行ったというよりも、おうちを見に行った感じで。家具をオーダーするのは敷居が高いと思っていたし、当時は選択肢に入れていませんでした」
それから約2年が経った2018年4月。家づくりが本格的に動き始め、テーブルを探すなかで、小林さん夫妻は改めてnineに連絡を取ります。
「初めて伺ったとき、nineさんご夫婦の親しみのある穏やかなお人柄に好感を持って。それもあって、お願いできたらと思ったんです」と浩子さん。
さらに、依頼していた池田組の設計士とnineが友人関係だったことも、ふたりの背中を押してくれました。

こうして、テーブルづくりの相談が本格的にスタートします。
まずはショールームでテーブルを見ながらの打ち合わせ。高さは680mm、脚とオーバルの形はこんな感じで、と要望を伝えました。材木は家の床材と合わせて、オーク材。これは当初からの希望でした。
「nineさんに伺ったとき、実はここ自宅でもあるんですと聞いて。長年使っていくことでこう変化していくんだとイメージがとても湧いたんです」と浩子さん。
小一時間ほどの打ち合わせの後、送られてきた図面と見積もりを見て、即OK。通常ならここで製作に入りますが、今回はオーバルテーブル。緩やかな曲線や卵型など、オーバルの形は一つひとつ違います。より具体的なイメージを共有するため、小林さん夫妻にもう一度来てもらうことにしました。浩子さんはその打ち合わせが特に印象に残っていると話します。
「テーブルについて話していたら、nineさんが楕円型に成形したベニヤ板を大きなテーブルの上に置いて、『このくらいのR(曲線)で、大きさはこのくらいなりますよ』と教えてくれたんです。すごく現実的にイメージできて、私たちとしても安心しました」

キッチンカウンターに合わせた高さのハイスツールもオーダー
