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お寺を、ほっとできる場所に。極楽寺住職 麻田さんが見つけた、家具がもたらす心の変化

お寺を、ほっとできる場所に。極楽寺住職 麻田さんが見つけた、家具がもたらす心の変化

最後のピースがハマった、門出の日

2016年の12月。雪が降り始める頃に家具が届きました。麻田さんは納品されたときのことをこう振り返ります。

「納品されたときは他は全部揃っていたんです。なので、nineさんの家具を置いたときは最後のピースがハマった気がしました」

キッチンカウンターには、異なる種類の椅子が並ぶ

新しいリビングは3人の息子さんが自然と集まる場に。当時、長男は10歳くらい。部屋に引きこもりやすい思春期でも、麻田さんの家では家族みんな同じ空間で過ごしていました。

「やりたいことがあるときは部屋にいるけど、それ以外はリビングといった感じで。部屋にこもりっきりで出てこないことはなかったですね」

勉強をしたり、ゲームをしたり、料理をしたり。やっていることはそれぞれ違っても、同じ場所で同じ時間を共有する。家具がもたらした居心地のよさが、リビングに自然と足を向かわせたのかもしれません。

nineと同じ時期にワンちゃんを飼い始めたという麻田さん。ショップにある木製犬用ゲートを見て依頼した

「誰も入ってこない」お寺から、「ひらかれた」お寺へ

自宅のリノベーションから6年後の2023年。麻田さんはハード面でも開かれたお寺にしようと寺院の玄関と本堂を新しくすることを決意します。

「以前は風除室があって、中の見えない玄関扉があって、障子戸を開けてやっと中に入れる。靴を脱ぐ必要もあったし、バリアが多すぎてなかなか入ってこない状況だったんです」

そこで、靴を脱がなくてもよいように土間にし、家具はnineの円形のダイニングテーブルとチェアで揃えました。

現在は、相談ごとがあるときに話を聞いたり、イベント時は飲食スペースとして使っている

すると、訪れた人の反応が変わり始めたといいます。

「若い人が名刺を出して、『実は観光の仕事をしていまして』と話してくれたり。お寺が異次元じゃなくなったというか。自分世代の感覚に合わせてつくったので、近い世代の人たちも緊張しなくなったのかなと思います」

若い人たちにとって堅苦しく近づきがたいイメージだったお寺が、家具と空間の変化によって身近な存在になる。ハード面の変化が、人々の心を開く手助けをしたのです。

大きな窓ガラスにし、新緑と紅葉が綺麗な庭園も見えやすいように