自分の製作した家具に漆を塗ってもらうのは初めてです。自分の家具じゃないみたいに風格がでました。漆は上越の飯塚直人氏に依頼しました。彼は山に入って木を切って、それを轆轤で削って器を作り、自ら漆を塗るという生産工程をひとりで行っています。最近漆の苗を植えたそうで、10年後は樹液を採取して自家製の漆までつくってしまうようです。そんなやり方が少し羨ましくもあります。家具では難しいかな、木を植えてもそれで製作できる頃には自分がこの世にいないだろうし。だからこそ素材に対してのリスペクトを忘れずにいたいと思うのです。