椅子の師匠引退&帰郷

大阪のTRUCKで一緒に働いていた職人としての大先輩が体を痛めてしまいそのまま引退、そして第二の人生を故郷の天草で過ごすことに決め帰郷することに。最後に送別会を開こうということになり急遽大阪へ行ってきました。団塊の世代で中学卒業後に集団就職で大阪へやってきた叩き上げの職人さんでした。椅子を作らせたら出来ないものはない程で、しかも仕事が綺麗。この方はバンバンやっつけでスピード上げて数を作るタイプではなく、カンナがスパッと切れて綺麗に仕上がるだから早いという感じの職人さんでした。仕事を振り分ける時は箱物は若い連中に、椅子は全てこの方にお願いしていて、自分がカップボードなどを組み立てている脇でどんどん積み上がっていく椅子を惚れ惚れと見ていたのを思い出します。私の椅子製作の技術は殆どこの方の仕事を盗み見て獲得したものです。たまにカンナなども頂いたりして本当に勉強させてもらいました。ザ職人という寡黙さと西郷さんを彷彿させる風貌で人を寄せ付けない職人的な雰囲気をもった人ですが、酒(スーパードライ)が入るとガラリと性格が豹変する大変オモロい方で、よーーーーく飲みに玉造の焼肉屋へ連れて行ってもらいました。この日も一緒に働いていた仲間たちが名古屋、神奈川、滋賀、新潟、大阪から駆けつけてスーパードライで乾杯でした。最後は形見分けで(まだ死んでない!)たくさんのカンナをみんなで分けあって大先輩の職人魂を引き継ぎました。TRUCKから独立し、各地で頑張っている皆んなと久しぶりに顔を合わせることができたのも大先輩のお陰だったのかなぁ、こんな機会次はあるのかなぁ。なんか昔を懐かしみつつパワーをもらったような奇跡的な1日でした。いつか天草に釣りをしに行かねばならんな。その日までどうかお元気で、さようなら。