店舗什器としてうちのようなオーダー家具を入れるのはとても勇気のいることだと思います。そんな女性オーナーの決断にリスペクトがあります。その気持ちに応えたカウンターチェア、無事納品完了です。そしてFocaccia e vino TETTO 5月9日11時、上古町にオープンしました。是非おいしいランチを食べに行って、ゆっくりこの椅子に腰掛けてみてください。
さをりの墨付け
さをりスツールの座面サイズは300×200㎜。
2、3メートルはあるさをり織りの生地から、一番良い表情の部分を切り取って座面に使用してほしいと椅子の張り屋さんに指示をするために墨付けをしておきます。家具をつくる時の木取りの墨付けに似ています。結構悩ましい作業で、ハマってしまうとびっくりするくらい時間が経過しています。
革を張る
椅子の座面に革を張ってもらいます。普段椅子の張りは張り屋さんにお願いしているのですが、革張りとなるとまた難易度が上がるようで、、、困った時のmonge頼みということで伊藤さんにお願いすることにしました。以前「男女8人家具物語」の展示会でご一緒させてもらったmonge伊藤さん、本業は椅子の張り屋さんで新潟市の風間椅子さんで活躍されております。数多くの仕事をこなしていらっしゃいますが、本革の加工はあまりないらしく悪戦苦闘されたようです。そのかわり張り上がった牛のショルダー独特の皺の入った黒い革の座面の質感はたまりませんでした。革の事だけではなく椅子の構造や木部、張り地のおさまりなど意見を交わしながらつくり上げていく工程はなかなか楽しいものです。
漆
自分の製作した家具に漆を塗ってもらうのは初めてです。自分の家具じゃないみたいに風格がでました。漆は上越の飯塚直人氏に依頼しました。彼は山に入って木を切って、それを轆轤で削って器を作り、自ら漆を塗るという生産工程をひとりで行っています。最近漆の苗を植えたそうで、10年後は樹液を採取して自家製の漆までつくってしまうようです。そんなやり方が少し羨ましくもあります。家具では難しいかな、木を植えてもそれで製作できる頃には自分がこの世にいないだろうし。だからこそ素材に対してのリスペクトを忘れずにいたいと思うのです。
ダイニングテーブルの打ち合わせ
お引越しされたばかりの新築のお家での打ち合わせ。もう定番となってきたダンボールでのサイズ確認シミュレーションです。昨年柏崎のtanneで展示会を開催したときに家具を見に来て頂いたお客さま。お家づくりのことや家具選びの話題で話が弾んでつい長居をしてしまいました。樹種や形、サイズで何パターンかのお見積もりをお渡ししてご検討してもらいます。