手仕事

ウィンザーチェアの座面をお尻にフィットしやすいように凹ませるために削る作業、座ぐり。今まではグラインダー(緑のやつ)を使っていましたがチョウナを購入してチャレンジしてみました。より原始的な手工具ですが使いこなせばグラインダーに匹敵すると思っています。何よりこういう類の刃物の産地が新潟にあるということがありがたい。三条、燕、与板。ここぞという時の刃物は平出商店に行けばなんでも解決。今回も丹波の小島優先輩に刃物の形の助言をもらいオーダーメイド。柄は短い棒屋(ばんや)ちょうなタイプにしてもらいました。うちのような小規模の家具屋はまだまだ手仕事の余地があります。

納品事例 三条市 K邸

三条の自然に囲まれたお家に納品された椅子たちです。アイランドキッチンからそのまま伸びたダイニングテーブルにナインチェアとナインウィンザーチェアが並びます。椅子は4脚とも形は違えど自然と雰囲気が揃っています。

店舗計画

お店

6年前に家具屋として独立開業することを決心した時、大阪から長岡に戻ったらすぐに場所を借りてお店を構えるのだろうと思っていた。しかし現実はそんなに簡単ではなかった。

開業にあたり潤沢な予算があるわけではなかったが、実家の農作業小屋を家具工房として使用することができたのでお店を借りる余裕はあった。しかし探し方が甘かったのかもしれないが長岡の物件は高額な家賃のものばかり。住居と店舗が一緒なら一番よかったのだが、ご縁がなく希望の物件になかなか巡り合わない。結局一軒家を借りてその8畳ほどの一部屋を改造して商談室兼ショールーム&撮影スペース(中二階studio)にしてnineは長岡で家具の製作販売をスタートさせた。

さまざまなイベントに参加しワークショップなどをしつつ長岡で家具作ってますと宣伝し、興味のある方に中二階に来てもらって相談させてもらう形をとっていたがやはり限界がある。「お店はどこにあるんですか?」と聞かれる度に心苦しく、または悔しい気持ちにもなったりした。商品も増えてくると狭い中二階はすぐいっぱいになり写真撮影さえままならない。

諦めずに不動産屋をチェックしたり、検索範囲を見附市や三条市まで広げて面白そうな物件を紹介してもらったりもした。新潟市の古いビルの話しも飛びつきたいほどだった。しかし、コウバで家具をつくって、子供を育て家族で生活し、お店を切り盛りしていくという私たちの暮らし方を考えると場所的(距離的)に現実味がなかった。

そして3年が経過し美紀さんと熟考を重ねようやく一つの結論に達する。家具の販売ができて製作しているところも見れる、しかも生活で使っている家具がそのまま見れるそんな場所。

『お店もコウバもお家も一緒に建てるしかない!』

ゼロから建てるなんて自分たちの身の丈に合ってないかもしれない、けれども住居と店舗の家賃をまとめたら結構な額になってしまうし、それならばもし融資が受けられればそれを返済していった方が可能性があるのではないか。

果たして我々に実現可能な夢なのだろうか。こうしてnineの店舗兼住宅計画は現実を知らなさすぎる熱い想いだけでスタートしたのでした。

アメリカンブラックチェリー

アメリカンブラックチェリーのダイニングテーブルにオーク材のウィンザーチェアを合わせてみる。現物は写真で見るよりテーブルに赤みがあるが、以外と相性は悪くないと思う。同じ樹種で部屋の家具を統一することは無難だ。違う樹種や形で部屋の家具を揃えるのは難しいけれども、雰囲気がさりげなくまとまっているとそれはまたとても魅力的だ。