先日の納品は三条の下田まで。
同じ新潟県内の魚沼市大白川産のブナ材(スノービーチ)を使った3本脚のラウンドテーブル。椅子はnordで合わせていただきました。
家具製作は長岡のnine。
建築設計施工は見附の小出建設さん。
家具業界のお話なんですが。家具の材料、素材って地元の山の木を使っていることってほとんど無いんです。お値段がお求め安いモノはMade in 東南アジアの国で、素材はそちらの合板だったりします。高級デザイナー家具だったりすると、チーク、ブラックウォルナット、オークといった外国産の銘木を使ったものが多いです。国産の材料を使ってますと謳っていても地元の木ではなく北海道の材木だったりします。家具用の広葉樹は、流通の関係だったり製材や人工乾燥機、安定供給の問題でなかなか近場の木を使うのにはまだ高いハードルがあります。
そんな中ここ新潟ではスノービーチプロジェクトという、かつて薪炭林として利用されてきた魚沼市大白川のブナ林を、建築や家具の木材として提供するべく森林組合から製材所、建築設計施工、家具工房が連携して持続可能な連携を生み出し大白川地域の活性化に繋げたい、という試みが進められています。
つまり地元中越地域の山の木を家具の材料として使うことができる訳です。
すぐそこにある木を使って家を建てたり、家具を作ったりするというシンプルな事が簡単にはできないこの現代社会において、魚沼のブナ材で長岡の家具工房でテーブルを作って三条のお客さんが使ってくれるというこの奇跡。当たり前のようで何か特別な、そこにはきっと見えない価値がきっとあるように感じています。